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執筆者の写真Misako Imai

北欧YouTuber Cocoさんと考える!シリコンバレーとスウェーデンで加速する女性の社会進出と子育て!


Better Life Artistのpodcastは「あなたのゴキゲンが世界をサスティナブルにする」をテーマにさまざまな分野のゲストにお招きし、あなたの生活がより健やかになるノウハウをお届けする番組です。この記事は、エピソード27をわかりやすくまとめました。




ココ
日本生まれ日本育ちの31歳。オーストラリアやイギリスに滞在後、スウェーデンの大学院へ。東京で3年勤務したのち、本社のストックホルムオフィスへ転勤。サステナブルライフに興味を持ち始めて、YouTubeやInstagramで北欧から発信。現在北欧デザインの会社でマーケティングを担当。第一子を授かり現在育休中。


サステナブルと女性の社会進出。

今井みさこ(以下・み):「今回のテーマはサステナブルな女性の社会進出についてです。このテーマで、以前にクラブハウスで話したよね。その時は、スウェーデン在住でママであるココちゃんとサンフランシスコ在住のキャリアウーマンMiaさんとわたしの3人で、すごい白熱したトークになったよね。このpodcastを聞いて、海外の情報を知ることでちょっとでも視野が広がったと感じてもらえたら嬉しいな。今育休中だよね、スウェーデンの制度がすごく興味深かった、教えて下さい。他にはどんな制度があって実際に活用してる?」


ココ(以下・コ):「そうなの。今人生初めての育休中です。私は産休に入ったのが予定日の3週間前。国の制度としては産む6週間前から産休に入って手当をもらうことができるよ。わたし出産2ヶ月前に上司に伝えて、産休についての相談をしたよ。わたしの上司は女性で、報告したら涙しながら喜んでくれて、上司がそんなに喜んでくれると想像していなかったから、感激しちゃった。そして、もう一つ嬉しかったことばが『あなたの代理はあなたがいない期間だけで雇うから、帰ってきてもポジションあるからね』ということ。それは労働法で守られている当然のことなんだけど、そうやって言ってくれると気持ち的に、『ああキャリアに穴を開けても、帰ってこれる。』って感じられたのがほっとしたな。


スウェーデンの育児手当は、親が2人いるとしたら2人合わせて480日(1年4ヶ月くらい)育休手当がもらえます。どの割合で育休日数を2人で分けるかはパートナーと決めます。

480日のうち390日は普段もらってる給料の金額をベースに8割が手当としてもらえます。 もちろん、上限があって、月に38万円ほどが最大の金額です。会社によってはその最大の金額を超える分を補ってくれるところも。年収が低い人とか学生とか収入がない人は最低でも半年間は10万円ほど毎月もらえるようになっています。

あとは、子ども手当が毎月1万5千円ほどもらえて、それがなんと子どもが16歳になるまであるんです

我が家はその費用をサステナブルな企業に投資したり、子どもが大きくなった時にどんな世の中になってて欲しいか考えて使うようにしようって決めたんだ。WWFとかに募金もいいなと思ってる。WWFの募金についてもこの前インスタで触れていたよね!教えてくれる?」


:「1万5千円が毎月16歳までもらえるって大きいよね!WWFは”World Wide Fund for Nature”の略で世界最大規模の自然環境保護団体である国際NGOです。そこで、お買い物ができて、その金額はすべて自然保護活動になるの。わたしの友だちは毎年のクリスマスギフトは寄付の気持ちも込めてWWFで買うようにしているんだって。日本のサイトはこちら


:「WWFで買い物ができて、その利益がすべて自然保護活動になるって知らなかったから、わたしも今年のクリスマスギフトはWWFで選ぼうかな。

スウェーデンの育休制度で、とっても素敵なだなって思ったのは、出産後10日間パートナーも休みをもらえること。その間お給料の80%が手当としてでます。出産直後はやっぱり産んだ方は思うように体も動かないしもし授乳してたら夜もほとんど寝れないでしょう。だからパートナーも2週間すぐに仕事を休んで育児に専念するんだよね。これには本当に助けられた!

ちなみにスウェーデンでは産後、病院側のOKが出れば当日退院も可能で、比較的すぐに退院する人が多いみたい。私は難産だったので緊急帝王切開になったこともあって、生まれる前と後合わせて5泊したよ。


スウェーデンは「揺り籠から墓場まで」という言葉があるほど、税金が高い分きちんとその恩恵を受けられるようになっていて、大学まで教育費もほぼ無料。子どもを預ける保育園もたくさんあって、絶対に入れる。スウェーデンは共働きが当たり前だから、両親ともに育休をとって、子どもが1歳とか1歳半ころになったら保育所に預けて仕事復帰するのがスタンダードかな。私は9ヶ月育休を取って、仕事復帰。夫がその後育休をとる予定です。」



スウェーデンでは子どもの学ぶ権利としてどの子どもも必ずプリスクールに入ることができる by COCO


:「日本では女性が育休をとって、女性が育児をするような制度になっているように感じるけど、スウェーデンではパートナー同士で協力して育児ができる制度になっているような印象を受けました。」


:「わたしの義理の両親は共働きで、とくに義理のお母さんが忙しい時期は義理のお父さんが会社を休んで子育てをしていたんだって。スウェーデンも当時は今のような制度はなかったから、今の日本に似た状況で大変だったんだって。そういった経験から今のスウェーデンの育児制度ができたんだと思うと、感謝したいなと思ったよ。


あとは、子どもを産んでからスーパーに売っている離乳食が目に入るようになったんだけど、ものすごい量なの。オートミールとか野菜ペースト、パスタとかが多いかな。

日本だと離乳食を頑張って作るイメージだったけど、共働きだと時間が限られてるから、スーパーで準備されたものを買ってあげるってのがスタンダードみたい。

なんでも100%頑張れないし頑張る必要がないから、自分がやらなくても回ることは社会や企業がやってくれて、自分自身のサステナブル、心と体を持続可能なゴキゲンな状態に保てるように仕組みが整っているなあと感じたよ。


:「素敵だね。先人の人たちの苦労があって、今の制度があるんだよね。

アメリカはそういった育児手当がないといっても過言じゃないの。まず医療システムが日本やスウェーデンとは全然違う。アメリカには国民健康保険という制度がなくて、自分で保険に入らなくちゃいけない。保険制度に加入するためには、企業に勤めなくちゃいけない。日本やスウェーデンのように当たり前に誰でも病院に行けるわけじゃないんだ。またその保険手当も会社によって手当はさまざま。アメリカは州によっても制度がことなるので、一概に言えない難しさがあるよ。


例をあげるとすると、わたしが住んでいるサンフランシスコ・シリコンバレービックテックたちはパートナー同士が約4ヶ月間の育休がとれるようになっていて、会社復帰もしやすいように工夫がされているよ。


妊娠する前のケアもされていて、人工授精や卵子凍結も会社の保険でカバーされている会社もあって、キャリアと子育てのタイミングを女性が選択肢が広がるようにも考えられているよ。アメリカ・シリコンバレーらしい制度だなと感じるよ。


:「女性の社会進出、グラスシーリング”glass ceiling ”っていう言葉ってサンフランシスコでも聞いたりする? グラスシーリングっていうのは会社とか組織内で昇進対象となる能力ある人が、性別や人種を理由に低い地位に留まることを余儀なくされる状態をいうんだけど、昇進が見えない天井によって阻まれているという比喩表現で、特に女性管理職とかを選ぶときに話題にのぼる言葉かな。



エコノミストの3月号あたりの記事で、スウェーデンは1位、アイスランド2位、フィンランドが3位、アメリカは18位、日本は28位なの。会社の役員とかマネジメント、政界の3つのエリアでどれだけ働きやすい環境でどれだけ女性がいるかがポイントなんだって。アメリカって大きすぎるから18位になってるけど、サンフランシスコとはとっても高そうなイメージ。どう?」


:「アメリカは、アメリカ史上初の女性の副大統領カマラ・ハリスさんが任命されたとあって、ちょうどそういった女性の社会進出の大きな転換期にいると感じているよ。サンフランシスコのビッグテックは他の企業に比べて女性役員は多いです。」


:「スウェーデンの国の代表としてでているテレビに出演しているのが、女性のみだったことがあって、これは逆に平等じゃないなと感じたよ。今は各企業が女性をプッシュしているのもあって、女性が優位になっている時期なのかも。まだまだ管理職に女性が足りないからプッシュしているんだけどね。」


:「そういう時期を経て、制度や社会が変わっていくんだろうね」


:「女性がキャリアも育児も自分の人生も、好きなように選べるってのは幸せなことだし、素敵な社会だなあと思う。でも女性がそう生きることができるようなスウェーデンになったのは、私たちの親とかおばあちゃんおじいちゃん世代が声をあげて制度と社会をつくってきたからなんだよね。私の義理の母は74歳なんだけど、スウェーデン人でニューヨークのコロンビア大学に通って、仕事と家庭を両立させて、女性の権利を勝ち取ってきた世代なんだよね。子どもを3人育ててながら医者になったの。私の義理のお父さんもとっても協力的な人で、彼女が医者になる勉強をするとき献身的に子育てに励んだし、子どもが体調悪かった時期は半年間の夫である自分が休暇をとって、子どもの世話をしたりしたんだって。当時はなんの手当とか保証もなかったけど、それでもそうしたみたい。そうやって夫婦で支え合いながら、声をあげながら、必死の思いをして作り上げてきた制度なんだなって。女性もしっかり声を上げ続けること、男性も理解を深めて一緒に新しい時代を作る。それを乗り越えて、今があるんだなあと、本当に感動した。その労力とエネルギーと成果に感謝して、作り上げられたものを「当然のこと」と思わずに、しっかりと守っていきたいなと思ったよ。


:「そうだね。まずは、パートナーと話し合って理解を深めることが大切だね。わたしたちの世代は人生100年と言われていて、わたしの両親よりも長生きるするようになると考えられているよね。そうなると、今までの働き方や人生設計とは変わってくるし、わたしたちは、多くの変化を体験する世代になるのかもしれないよね。ココちゃんの義理の家族の話には学ぶことがたくさんあるエピソードだなと感じたよ。パートナー同士の人生設計を話し合って理解を深めて、そして制度も社会も変わっていくんだね。



:「みさこさんこういう話をする機会を与えてくれて本当にありがとう。自分自身もアウトプットすることでより勉強になったし、みさこさんの話も聞いてとっても勉強になったし楽しかった。こういう発信してくれてありがとう。ポッドキャスト最高。私もYouTubeInstagramの発信続けて行こうと思うので、リスナーの皆さんもフォローしてくれると嬉しいです!」



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